デビットカード基本

デビットカードの取得失敗に関するetc

「デビットカードは誰でも手にできる便利なカード」として広く認知されています。とはいえ、「誰でも」というのは正しい表現ではありません。実際、手に入れようと手続きをしたものの、発行されなかったというケースもあります。では、どんな状況の人に関しては、デビットカードの発行が見送られるのでしょうか。ここではカードの取得失敗に関連するetcを見ていきます。

カード発行が見送られる1つ目の要因は「提出した書類に不備がある」というものです。これはインターネットバンクへの申し込みを行った人に関して広く見られるケースです。デビットカードを手に入れるためには、その発行を手掛けている金融機関で口座を開設する必要があります。この手続きには本人確認書類に加えて、申し込みの時点で居住している場所を証明する書類を提出しなければなりません。これらの書類がきちんと揃っていないと、何度申し込みをしても口座の開設ができず、カードの発行も行われないということになります。

住所を証明する書類に関してはほぼすべての銀行が「コピー不可、要原本提出」としているにも関わらず、誤ってコピーを送付してしまったというケースが散見されています。この場合、口座開設の手続きそのものが始まらず、一定期間が経過した時点で申込書類は破棄されることになります。とはいえ、大抵は新規口座開設の受付を行うカスタマーサポートセンターから、電話ないしメールで書類不備に関する連絡があるので、そこで受けた説明に沿って対応すれば手続きが進めていくことができるはずです。

デビットカードを手にできない2つ目の要因は「サービスエリア外」というものです。これは、地方の金融機関で申し込みを行った場合に起こり得るケースとして報告されています。全国展開している大手の銀行やインターネットバンクであれば、47都道府県のどこから申し込みをしても口座開設が可能です。一方、小規模の運営を行っている地方銀行の中には、地域密着型のサービスを提供するため、サービス対応エリアを特定の範囲に限定するという方策を採用しているものもあります。口座開設の申し込み者が指定エリア外に在住している場合、書類がすべて揃っているとしても、口座開設が承認されることはないため、当然ながらデビットカードも受け取れないということになるわけです。

3つ目の要因として挙げられるのは「審査が必要なタイプのデビットカードに申し込んだ」というものです。これは以前にキャッシングなどの返済が滞ってしまい、信用調査会社のいわゆる「ブラックリスト」に載ってしまっている人が申し込みをした場合に起こる事案です。デビットカードの中にはわずかながら自動キャッシングという機能を持つものがあり、それらに申し込みをした場合には信用会社の与信判断を受ける必要があります。以前に返済事故を起こしている人は残念ながらこの審査をパスすることが非常に難しいため、結果としてデビットカードの発行を見送られてしまうという結果になるわけです。

ごく稀なケースとして「銀行における口座開設の審査が通らない」というケースが挙げられます。そうなってしまう理由として主に考えられるのは「申し込み者が反社会勢力の構成員、もしくはその家族である」「路上生活をしているため、特定の居住場所に関する情報を提出できない」「申し込み者名義の口座がかつて何らかの犯罪に使用された」といったものです。特に、申し込み者の預かり知らないところで銀行の口座情報が盗まれた上で悪用されたという場合であっても、残念ながら審査が通らないと場合があるということは覚えておきましょう。

デビットカードを使うデメリットってあるの?

デビットカードに関しては、「利用可能なエリアが順調に拡大している」「お財布を持ち歩く必要が無い」など、とかくメリットが強調されることが多くなっています。では、デビットカードを利用することに伴って発生するデメリットというものは一切ないのでしょうか。ここでは、利用を開始する前に覚えておくと良いポイント3つをご紹介します。

1つ目のポイントは「支払い方法が一括のみ」という点です。デビットカードは利用し過ぎて支払いが滞るという事態を避けるため、決済時に金融機関の口座へ照会を行い、その残高を超える決済はさせないというシステムを採用しています。この運用方法を成立させるため、支払い方法は一括のみとなっているのです。言いかえれば、分割払いやリボ払いといった決済方法はできないということです。そうなると、デビットカードしか持っておらず、十分なキャッシュが口座にないというケースでは、買い物が一切できないということになります。何らかの高額商品を緊急に購入する必要があるもののデビットカードしか決済方法がないという人の場合、銀行などの金融機関へいってローンを組まなければなりません。これはかなりのデメリットということができるでしょう。

デメリットとして挙げられる2つ目のポイントは「利用できない場面がまだまだある」という点でしょう。スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど日用品の購入に関しては、非常に多くの店舗でデビットカードによる決済が可能です。一方、ガソリンスタンドや高速道路などの支払いに関しては、デビットカードによる決済不可となっているケースが珍しくありません。コンビニのポイント制度が一部ガソリンスタンドにおける決済へすでに対応していることを考えると、デビットカードはやや遅れているという印象があります。また、高速道路利用の便利な決済方法であるETCに関しても、デビットカードへの対応が可能になったというケースはまだありません。加えて、公共料金の支払いや税金の納付に関しても、デビットカードを利用することはできないため、現金もしくはクレジットカードで手続きをする必要があります。こうした点を考えると、デビットカードの利用分野に関してはまだまだ拡大の余地があると言えるでしょう。

3つ目のデメリットとしては「補償内容が限定的である」という点が挙げられます。先述のとおり、デビットカードの利用限度額は登録されている金融機関の口座残高と連動しており、その金額を超えた決済利用はできません。また、大抵のユーザーはカードの過剰な利用を避けるため、月々の利用限度額を数万円程度に設定するという自衛手段を講じています。こうした背景から、「万が一盗難や不正利用をされてしまったとしても被害額はそれほど大きくならないだろう」というスタイルのカード会社が多く、そうした犯罪被害に対する補償内容も数万円から数十万円程度で非常に限定的というケースが多いわけです。とはいえ、「補償が手厚くない」というデメリットが消費者に対して与えるマイナスイメージは非常に大きく、これが理由で決済方法をデビットカードへ全面的にシフトすることができないというユーザーも少なくありません。

これら3つのポイントに加えて、ポイント制度がまだまだ発展途上にあるという点も指摘されています。還元率を低く設定しているケースもあるため、デビットカードの利用を促進したいのであればもっと還元率を高く設定するべきという意見も少なくありません。とはいえ、キャッシング機能を持たないデビットカードに関しては、ポイントサービスを向上させても利用金額の伸びには直結しないという見解も根強くあるため、このまま現状維持となるだろうと予測されています。